どんなに良い食材を使っていても製造ラインで不衛生であっては元も子もありませんね。企業は各工場で独自の衛生管理を行い衛生的に宅配食が配達できる環境を整えています。
たくさん効率よく作るということはそれだけたくさんの人の手を介し、たくさんの機械に触れるということです。そのため企業は誰が勤務しても過不足なく衛生管理が徹底できるようたくさん気を遣って衛生管理しています。
HACCPとは「Hazard(危害) Anealysis(分析) Critical(重要) Control(管理) Point(点)」 の略で…と話が続くと非常に難しく感じますが、実はとてもカンタンです。元々は宇宙食を安全に提供するために提案された衛生管理の方法で、食品の加工を行い出荷するまでの間のひとつひとつの工程を確実に管理することです。万が一、何かの事故が起こったとしても原因を追究しやすいのが特徴です。従業員数が50名以上の企業ではこのHACCPによる衛生管理を行わなくてはなりません。
食べる方の身体のことを考え、不安を軽減するために企業努力を惜しまない企業がたくさんあります。
HACCPの導入はもちろんのこと、ソックフィルターシステムにより工場内の空気環境まで整えています。また、出来上がった宅配食も低温で輸送するため、雑菌の繁殖を可能な限り防ぎます。
献立から仕入れ、製造まですべて自社にて行っているワタミでは工場の衛生管理はもちろん、工場の従業員の体調・衛生管理を行っています。さらに来客者にも体調・衛生管理を徹底しています。
仕入れた食材をすべて国内工場にて加工しているまごころ便では「真空調理」や「高温高圧調理」、「低温管理」によって食品衛生を心がけています。次亜塩素酸ソーダなどの殺菌は行わず、微酸性に調節された電解水で殺菌しています。
家庭の調理のように見える場所で作っていないからこそ気になるのが衛生管理ですね。特にたくさん作って不特定多数の人に配達する宅配食での食品衛生管理は重要視すべき点です。企業によってはホームページで工場の様子を撮影し、紹介しているところもあります。衛生管理の方法はもちろんですが、写真に写り込んでいる作業場や器具に汚れがついていないかなども判断基準になりますのでよくチェックしてみましょう。
管理栄養士・介護食士
健康運動指導士 村井 香枝さん
この記事の執筆者をご紹介
村井 香枝さん
管理栄養士・介護食士・健康運動指導士とし約20年の福祉施設での勤務を経てフリーランスの管理栄養士に転向。
「全世代対象の食育教室」「高齢者のための介護予防運動教室」の講師として行政を中心にご活躍中です。
専門(得意?)分野は「人を笑わせること」。難しい内容も噛みくだいておもしろおかしく、笑って免疫力を高めて帰っていただくのが村井さんの講演スタイルです。
※「高齢者向け食事宅配サービス選びのポイント」「栄養バランスを考えた高齢者食と宅配サービス」
「高齢者に多い持病や症状と食事の注意点」のカテゴリを執筆いただきました。