試食はできるか

 

試食する際のチェックポイント

 

「試食したい」というとなんだか企業に悪い気がしますが、食事は毎日食べるもの。「こんなつもりじゃなかった」と思わないためにもぜひ試食をしてみましょう。試食の際のチェックポイントはこちらです。

  • 見た目
    「目は口ほどに」ものを食べます。特に食の細くなりやすい高齢者が思わず食べたくなる雰囲気は大切です。彩り・季節感・盛り付けの丁寧さをしっかりチェックしましょう。

  • 年を重ねると味覚の低下が起こりやすく、食べ物の味を感じにくくなります。それに合わせて味の好みはひとそれぞれ。まさに「十人十舌」ですね。自分の好みにより近いお弁当を選ぶとより食事を楽しむことができますよ。

  • 高齢者が食べきれる量に調節してある商品も多いですが、食べきれる量も人それぞれです。「残す」または「足りない」、ことへのストレス軽減のためにも量のチェックは欠かせません。
  • 食べやすさ
    かたいものが食べにくい、飲み込みがしにくい…高齢者特有の状態も対応できるお弁当もたくさんあります。逆に健康のため「良く噛める」お弁当も開発されています。この食べやすさは実際に食べてみないとわからない部分ですね。
  • 栄養価
    健康に気をつかう方はもちろん、かかりつけ医より療養食の指示が出ている方は特にチェックが必要です。栄養価をコントロールしていても食べやすいお弁当もたくさんありますよ。
 

企業の試食サービス例

 

「試食」と一言で言っても企業によって様々な試食サービスを展開しています。公式ホームページやチラシに試食について記載してある企業もたくさんありますよ。

  • 無料で試食ができる企業
    宅配クック123(65歳以上初回のみ)・まごころ弁当(65歳以上初回に2食まで)
  • 有料で試食ができる企業
    メディカルフードサービス(6食お試しセットが特別価格にて・何回でも注文可能)
  • 公式ホームページに記載がなくても試食できる企業
    健康宅食(提携病院から配布される試食券やTELにて申し込むことで希望のメニューで試食が可能)

まとめ

「年とったら食べることだけが楽しみ」とよく聞きませんか?若いころよりも行動範囲が狭くなりやすい高齢者にとって毎日の食事は何よりの楽しみです。そして高齢者の心理として一度始めたことを変えたがらない傾向があります。一度頼んだから好みに合わないけれど続ける…それが結局欠食やストレスにつながってしまう…それでは何のために頼んだかわからなくなってしまいますね。そうならないためにも試食で実際に届くお弁当を手に取り、見る・食べてから決めることをおすすめします。


管理栄養士・介護食士<br>健康運動指導士 村井 香枝さん

管理栄養士・介護食士
健康運動指導士 村井 香枝さん

この記事の執筆者をご紹介

村井 香枝さん
管理栄養士・介護食士・健康運動指導士とし約20年の福祉施設での勤務を経てフリーランスの管理栄養士に転向。 「全世代対象の食育教室」「高齢者のための介護予防運動教室」の講師として行政を中心にご活躍中です。
専門(得意?)分野は「人を笑わせること」。難しい内容も噛みくだいておもしろおかしく、笑って免疫力を高めて帰っていただくのが村井さんの講演スタイルです。

※「高齢者向け食事宅配サービス選びのポイント」「栄養バランスを考えた高齢者食と宅配サービス」
「高齢者に多い持病や症状と食事の注意点」のカテゴリを執筆いただきました。