腎臓病により傷ついた細胞は元にもどりませんので、それ以上進行させないことが大切です。食事療法により腎臓の負担を減らし長く使い続けるようにしなくてはなりません。
腎臓病食は減塩が基本となり、ステージによってたんぱく質制限、それに伴い減少してしまうエネルギーを摂取することが大切となります。食事制限する際は目立って見える肉や魚、卵といったたんぱく源だけでなく、ご飯やパンに含まれている隠れたたんぱく質にも注意を払いましょう。また、カリウムやリンの制限がかかる場合もあります。濃い味の食事やたんぱく質、加工食品の摂りすぎには注意が必要です。
制限がかかった中での食事となりますが、食べても良い範囲の肉や魚、野菜など可能な限り品数をとって他の栄養のバランスが崩れないよう心がけることも大切です。制限で不足しやすいエネルギーを補うための治療用特殊食品を使用する場合もあります。
塩分だけでなくたんぱく質やカリウム、リンなどもコントロールしなくてはならない腎臓病の食事の準備は非常にハードルが高いと言えます。しかも毎日毎食となると気が遠くなりそうですね。そんなときには療養食対応の宅配食を検討してみましょう。
「健康美膳」は食塩2.0g以下に調整したおかずセットです。低塩分なのにバラエティ豊かな食材を使用し、主菜1品に副菜3品と品数も多く見た目も豪華です。日本腎臓病学会のエビデンスがあることが大きな特徴です。
参照元:健康宅配公式サイト(https://www.kenko-webshop.jp/user_data/energy.php)
参照元:武蔵野フーズ公式サイト(http://www.ms-net.co.jp/ms-foods/products/index.html#delivery)
ここではたんぱく質や塩分を調整した食事や透析中の方向けの透析食を取り扱っています。たんぱく質・塩分調整食でたんぱく質10.0g以下、塩分2.0g未満、透析食でたんぱく質14.4~17.6g、食塩2.0g未満、どちらもカリウムやリンも調整しています。
参照元:宅配クック123公式サイト(http://takuhaicook123.jp/menu/)
腎臓食(1日あたりたんぱく質40g、塩分6g未満)・透析食(1日あたりたんぱく質60g、塩分6g未満)でカリウムも低減調理しています。昼食・夕食だけでなく、朝食の用意もあるため、1日を通しての食事コントロールが可能です。
参照元:ライフデリ公式サイト(https://lifedeli.jp/menu.php)
制限が多く手間がかかる腎臓病食は自宅で調理するには非常にハードルが高いと言えます。こういったときに宅配食はとても強い味方になってくれます。ただし、腎臓病の進行具合によって制限が異なりますので、必ずかかりつけの医師や管理栄養士に相談して、指示に合ったものを生活に取り入れるようにしてください。
管理栄養士・介護食士
健康運動指導士 村井 香枝さん
この記事の執筆者をご紹介
村井 香枝さん
管理栄養士・介護食士・健康運動指導士とし約20年の福祉施設での勤務を経てフリーランスの管理栄養士に転向。
「全世代対象の食育教室」「高齢者のための介護予防運動教室」の講師として行政を中心にご活躍中です。
専門(得意?)分野は「人を笑わせること」。難しい内容も噛みくだいておもしろおかしく、笑って免疫力を高めて帰っていただくのが村井さんの講演スタイルです。
※「高齢者向け食事宅配サービス選びのポイント」「栄養バランスを考えた高齢者食と宅配サービス」
「高齢者に多い持病や症状と食事の注意点」のカテゴリを執筆いただきました。