糖尿病は予備軍を含め、非常にたくさんの方が患っている病です。高齢者の場合、糖尿病だけでなく高血圧や脂質異常症など他の病気も併せ持っていたり、失明や腎症などの合併症が起こりやすくなります。
糖尿病の治療では服薬や生活指導と並行して食事指導が行われます。血糖値をコントロールするために必要な食事療法では1日3食バランスのよい食事を食べる。間食は控える。ゆっくり噛んで時間をかけて食べる…などが指導されます。説明される分には理解はできます。しかし長年の食生活を変えることが難しく一歩踏み出しにくい方が多いのが現状です。ついだらだら食べてしまったり、作りすぎてしまったり、もったいないから食べてしまったり…高齢になってまで計算しながら食べるなんてとんでもない!と感じている高齢者も少なくないはずです。
食事療法の辛いところは毎日毎食対応しなくてはならないことです。病気と言われただけでもショックなのに毎食糖尿病用の食事を作るのも大変なことです。そんな辛い思いをしている糖尿病の高齢者の強い味方になってくれるのが宅配食です。バランスのとれた様々な食材で作ってあるだけでなく、カロリーや塩分の調整食が複数パターン用意されているものもあります。
こちらでは「小町」というカロリーと塩分がコントロールされたお弁当が大小2種類から選ぶことができます。おかずのみかごはんとセットを選択できるため、自分に必要なカロリーや食事準備状況に合わせやすく便利です。
参照元:まごころ弁当公式サイト(https://www.magokoro-bento.com/)
「健康美膳」ではカロリー約270㎉、塩分相当量2.0g以下に設定されています。バラエティ豊かなセットメニューがあり、飽きがこないのが特徴。日本糖尿病学会での発表で療養食としてのエビデンスがあると認められています。
参照元:健康宅配公式サイト(https://www.kenko-webshop.jp/user_data/energy.php)
武蔵野フーズ公式サイト(http://www.ms-net.co.jp/ms-foods/products/index.html#delivery)
管理栄養士おすすめコースとして糖質・塩分・脂質など控えたい栄養素対応のお弁当の種類が豊富です。糖質や脂質控えめコースならカロリーは200㎉前半で食塩相当量も2.0g以下に調整してあります。コースによって選べるメニューも豊富です。
参照元:ニチレイフーズダイレクト公式サイト(https://wellness.nichirei.co.jp/shop/pages/bento.aspx)
たくさんの種類があるので気持ちが楽になったかと思います。すべてを宅配食にすることも可能ですし、忙しいときや作る気力のないときだけなど生活に合わせた使用が可能ですね。糖尿病は病気の状態や合併症の有無などによって制限されるカロリーや塩分が異なってきます。宅配食を選ぶ際は必ずかかりつけ医や管理栄養士の指導を受けて選択するようにしましょう。
管理栄養士・介護食士
健康運動指導士 村井 香枝さん
この記事の執筆者をご紹介
村井 香枝さん
管理栄養士・介護食士・健康運動指導士とし約20年の福祉施設での勤務を経てフリーランスの管理栄養士に転向。
「全世代対象の食育教室」「高齢者のための介護予防運動教室」の講師として行政を中心にご活躍中です。
専門(得意?)分野は「人を笑わせること」。難しい内容も噛みくだいておもしろおかしく、笑って免疫力を高めて帰っていただくのが村井さんの講演スタイルです。
※「高齢者向け食事宅配サービス選びのポイント」「栄養バランスを考えた高齢者食と宅配サービス」
「高齢者に多い持病や症状と食事の注意点」のカテゴリを執筆いただきました。