高齢になると食欲や身体機能の低下、食事の準備ができないなどの原因により食べる量が減る傾向にあります。必要な栄養素を摂ることができず、筋肉や血液の構成成分であるたんぱく質が不足してしまうことを「低栄養」と呼びます。
低栄養になると、顕著な体重の減少や筋肉量・筋力の低下、感染症にかかりやすくなったり、病気や傷・褥瘡などが治りにくいと言われています。また、むくみや活気の低下なども見られます。
低栄養を放置すると身体活動が減ることによる筋力低下「サルコペニア」の発症や寝たきり、社会参加の減少による認知症の発症やさらに重度の低栄養やフレイルなどの負の連鎖につながっていきます。
低栄養を予防・改善するためには栄養バランスのとれたものを毎日食べ、少しずつ食べる量を増やす、補食を利用するなど口に入れる食べ物の質や量を改善することが大切です。食べるものを準備する、食べやすいように加工する、楽しい食卓や不具合のある義歯の調整なども食べられる環境づくりのために有効といえるでしょう。
低栄養には、たんぱく質のほか様々な栄養素が良いことはわかりましたが、自分では栄養バランスのとれた食事を作るのは難しいですよね…宅配食はどの企業のものも栄養バランスを考えて作られています。その中でも自分の持病に対応できそうなものや管理栄養士が献立作成を行っているところを選びましょう。
「栄養バランス」弁当ではおかずのみ、またはご飯とセットのおかずから選ぶことができます。おかずの種類が多く、栄養素の調整食もチョイスできます。ご飯とおかずのセットでも500Kcalと抑えめカロリーが特徴です。
参照元:クック宅配123公式サイト(http://takuhaicook123.jp/idea/torikumi/)
ごはん付きでもカロリーが500Kcal前後です。栄養素の調整食も選べるうえ、麺類も注文することができます。献立が豊富で飽きがこないのが◎。ネットで管理栄養士に細かな栄養相談も行うことができるため、療養食が必要な方の強い味方です。
参照元:健康宅配公式サイト(https://www.kenko-webshop.jp/)
MFSバランス健康食ではおかずのみの提供となりますが、和食中心のヘルシーバランスメニューです。もしお茶碗に軽く1杯(100g前後)のごはんを足しても500Kcal未満。どのお弁当が合うかを管理栄養士に相談できるサービスもあります。
参照元:メディカルフードサービス公式サイト(https://medifoods.jp/balance/trial/)
「(厳選)栄養バランス気配り宅配食」では1食に10品目以上の国産中心の食品を使用しています。バランスが取れているのにおかずのみのカロリーは300Kcal。カロリーや塩分を控えたタイプのお弁当もあります。
参照元:ウェルネスダイニング公式サイト(https://www.wellness-dining.com/SHOP/M0107.html)
低栄養を改善するためには栄養バランスの取れた食事を毎日食べることが大切ですね。最近の宅配食は管理栄養士が栄養バランスを考えて献立を立てているものも多く、個々の症状にあわせた療養食も種類が豊富です。食事の準備やバランスをとるために上手に宅配食を活用してみましょう。
管理栄養士・介護食士
健康運動指導士 村井 香枝さん
この記事の執筆者をご紹介
村井 香枝さん
管理栄養士・介護食士・健康運動指導士とし約20年の福祉施設での勤務を経てフリーランスの管理栄養士に転向。
「全世代対象の食育教室」「高齢者のための介護予防運動教室」の講師として行政を中心にご活躍中です。
専門(得意?)分野は「人を笑わせること」。難しい内容も噛みくだいておもしろおかしく、笑って免疫力を高めて帰っていただくのが村井さんの講演スタイルです。
※「高齢者向け食事宅配サービス選びのポイント」「栄養バランスを考えた高齢者食と宅配サービス」
「高齢者に多い持病や症状と食事の注意点」のカテゴリを執筆いただきました。